武漢でCOVID-19が見つかった2019年12月、私の妻には直腸ガンのステージⅣが見つかりました。普段から腰痛やら神経痛やらに悩まされていたから、それが直腸ガンの肝転移による痛みだとは思わなかったのね。これはもう最後に聞いた話だけど会社の定期検診も2年ほどスキップしていたようで、、、ちゃんと受けていればもっと早く発見できたのにと悔やまれますが、定期検診を面倒がるのも妻らしいし、今さら言ってもね。
それからは通院しながら抗がん剤を取っ替え引っ換え投与したのですが、有効な薬剤が見つからず、妻は1年8ヶ月後に他界しました。
このご時世ではヘタに入院すると面会が不自由なこともあるけど、多分、動ける限りは仕事をしたかったのでしょう。本当に最後のギリギリまで自宅療養にこだわっていたみたいです。私から言えば、共稼ぎとはいえ、いつも家を空けていた元気な頃と違い、仕事量も減らした妻が常に家に居るというのは大きな変化でした。
幸いこちらもリモートで在宅勤務なのを良いことに、結構張り切って家事をやっていたと思います。そして一緒に食事をし、一緒にTVを観て談笑し、動ける時は買い物に出かけ、痛む背中をさすり、浮腫んだ両足の包帯を取り替える。
それがガンの治療中だとしても、洗濯した大量の包帯を2人で巻き直している時間すら私には幸福な時間であり、お互いに仕事仕事ですれ違いばかりだった夫婦生活を少しだけ取り返したのだと思います。
ある朝、ついにベッドから自力で起き上がることができなくなり救急車で病院に運ぶ途中、何度も「ごめんね」と言われた言葉が耳に残ります。しかし、ダメな私にとってあなたは最良のパートナーであり、胸を張って自慢できる妻であり、共に人生を過ごしてきた戦友です。これからは仕事のことも家族のことも気にせずに、好きな旅行や読書をしてのんびり過ごして欲しい。
あれから半年余りが経過した今は、さようならというよりも、あの世でお幸せに、と言いたいと思います。あなたが残してくれたものが沢山あるから私は大丈夫。心配いらないからね。
昨日、3/14は結婚記念日です。